見えないところに

2018年 11月 1日 木曜日
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少し前に、僕が大好きな建築家の方の講演を拝聴し、感銘を受けたことがありました。

茶室のお庭の話。庭には石を使うのだけれど、その石が地表に見えている部分だけの大きな石と1m以上深く掘り、すごく大きい石の表面をちょこっとだけしか出していない石。この二つ、おもてに見えているのは同じだとしても

『建築家はその違いをわからなければいけない。』

表面が同じでもその厚み、その意味を、建築をやっている人はわからなければならない。

そんなお話。

きっと僕はその違いに気づくことはできないだろうけど、様々な業種でおなじようなことがいえるのかなと思いました。

カーテンであれば、同じ生地同じサイズの二つのカーテン。

既製品として作られたカーテンと

そのお家、カーテンレールに合わせて仕立てたオーダーカーテン。

言いかえると、

この価格で販売すると決められて仕上げられるカーテンと

このように仕立てたいと考え、仕上げられるカーテン。

たとえ、全ての工程に同じ人が携わったとしても、仕事に向き合う姿勢が異なるこの二つのカーテンには、きっと違いがでるのでは、そう思います。

当然この違いは、カーテン屋の僕はわからなければならないことなのですが、この違いは、お庭の石よりもずっと分かり易いし、感じられやすいものだと思います。

↓こちらは遮光裏地付きでお仕立てしたカーテン。

遮光裏地付き輸入カーテン

実は一般的な、生地を縦使いする遮光裏地とは違う、生地幅の広い、生地を横使いするタイプの遮光裏地を採用しました。

カーテンに仕立てると裏側だし、見た目もそんなに違いがあるわけでもない。それじゃあ表側のカーテンが同じならなんでも同じでカーテン屋の自己満足なんじゃ・・・

というわけでもないんです。

生地を横使いできることで生まれるしなやかさが表のカーテンの美しさをしっかりとサポートしてくれます。

見えないところにこだわることで生まれる違いがカーテンにもあるんです。

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